「え……? う、嘘でしょ……? お兄ちゃんは、私と離れ離れになっちゃうってこと?
私、お兄ちゃんがいないと怖くて部屋からも出られないのに……っ」
妹の「芽衣」は、お家大好きっ娘。
聞えは良いが言ってしまえば「ただの引き篭もり」。
切欠があったとは言え「芽衣」は今では、親でさえ拒絶し、俺としか顔を合わせようとしない。
完全に俺に「依存した状態」だ。
そろそろ俺から卒業……本音、俺は……芽衣から解き放たれたい。
しかし、芽衣は、そのつもりもなく、
両親に至っては世話役である俺を、何としてでも失いたくないと考えているらしい。
そんなある日『元・地味っ娘が「彼氏の影響」で黒ギャルになって自分を変えた』という話題を知る。
「そうか、その手があったんだ……!」
俺はいてもたってもいられず、自室を飛び出していた。
目指すはもちろん、芽衣の部屋である。