(なに、この記憶は……思い出した、わたくし……いや、僕は……) ある日、突然めまいを起こし倒れ頭を強く打ち付けてしまったその瞬間――前世では男であったという記憶が蘇った。 そしてこの世界がとあるWeb小説と同じであり自らは公爵家の娘で悪役令嬢ポジションの‘リルスフィア・レイフィード’に転生している事に気付き落胆する。 だが幸いな事に物語本編の始まる時系列より過去と気づきどうにか未来を変える方法を考えようとしたその時、1人の青年が現れる。それは、婚約相手である第二王子‘フォルスタン・ミレニアス’。‘リルスフィア’はすでに婚約している身であったが、 『元男なので婚約とかそういうのは勘弁』 と、前世を思い出した事により絶対に婚約を解消してやろうと考える。 しかし‘リルスフィア’思いとは裏腹に、何としても手中に収めたいという気持ちが強くなった‘フォルスタン’によって強引に籠絡されていくことになる――